下日野村(読み)しもひのむら

日本歴史地名大系 「下日野村」の解説

下日野村
しもひのむら

[現在地名]藤岡市下日野

あゆ川が村央を東流し、同川流域を除くと村域は標高五〇〇メートルから七〇〇メートルの山地に囲まれる。多胡たご郡に属し、東は緑野みどの金井かない村、南は同郡三波川さんばがわ(現多野郡鬼石町)など、北は同郡西平井にしひらい村と多胡多比良たいら(現多野郡吉井町)、西は多胡郡上日野村と接する。日野大宮ひのおおみや(現地守神社)の天文一七年(一五四八)の棟札に「穎野ひの」、また元亀三年(一五七二)一〇月九日の武田信玄定書(小幡文書)で小幡民部助に与えられた地に「高山隠居分鮎川・比野」がある。日野は古くから鮎川流域の金井以西三ヵ村の総称とされ、日野谷ひのやつともいわれてきた。「名跡考」には「日野は多胡の南部なり、属邑十二、或は火野なるべし、上古防と烽を置きて蝦夷に備へられしといへり」とあり、「和漢三才図会」などには日野絹が記され、「上野国風土記」や「上野志」にも特産として日野絹を載せる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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