下機(読み)シモハタ

デジタル大辞泉 「下機」の意味・読み・例文・類語

しも‐はた【下機】

《「しもばた」とも》主に木綿麻布を織るのに用いる機。→上機かみはた
「―に木綿一たん、これを織りおろして」〈浮・永代蔵・五〉

げ‐き【下機】

下根げこん」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「下機」の意味・読み・例文・類語

しも‐はた【下機】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「しもばた」とも ) 主に木綿、麻布を織るのに用いる機(はた)。機の丈は低く、機に向かって腰を落とし、両脚をなげだして織るもの。いざりばた。
    1. [初出の実例]「しもはたを織ぬる人のすそみえて〈貞利〉」(出典:俳諧・玉海集(1656)付句)

げ‐き【下機】

  1. 〘 名詞 〙げこん(下根)
    1. [初出の実例]「下機は無相の理までは弁ぜね共」(出典:太平記(14C後)二四)

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世界大百科事典(旧版)内の下機の言及

【地機】より

…5世紀ころから日本で使用されたとみられる手織機で,いざり機,下(した)機,神代(じんだい)機とも呼ばれた。これより古い原始機では機台がなく,筬(おさ)はいちばん後方にあり,経糸(たていと)の幅および間隔を一定にするために使用されたが,地機では経巻具(たてまきぐ)を機台に取り付けて後ろを高くしてあり,筬は綜絖(そうこう)の前方に置かれ,緯(よこ)打ちに使用される。…

【織物】より

…この改良型いざり機は,現在では結城紬や越後上布の製織ぐらいにしか残っていないが,かつては農村の機織のほとんどがこれであった。いざり機は織り手が地面や床面に近く,低く座して作業をするところから,地機(じばた)とか下機(しもばた)ともいわれ,さらに古い機という意味で神代機(じんだいばた)の名もある。やがて高級織物織成の欲求にしたがって綜絖装置は工夫改善され,上に糸を引き上げる綜絖と下に糸を引き下げる綜絖と2枚あるいはそれ以上の綜絖が装置されるようになり,またその操作もペダル式の踏木によって行われるに至った。…

※「下機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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