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日本永代蔵 にっぽんえいたいぐら

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

日本永代蔵
にっぽんえいたいぐら

浮世草子井原西鶴作。6巻。貞享5 (1688) 年刊。各巻5話,計 30話の短編小説集。仮名草子の致富教訓譚『長者教』から示唆を受け,副題に「大福新長者教」とある。町人が勤勉,倹約,才知などによって富を得た話を主とし,そのほか致富後没落した話などすべて富に関する世相を描く。副題が示すように教訓的意図から書かれたものであるが,仮名草子の教訓物と異なり,現実社会をリアルに描いている。浮世草子の町人物の祖であり代表作である。本書の影響を受けて類作が多く出た。

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デジタル大辞泉の解説

にっぽんえいたいぐら【日本永代蔵】

浮世草子。6巻。井原西鶴作。元禄元年(1688)刊。各巻5章、全30話からなる。知恵と才覚によって長者となるまでの町人の生活を描く、西鶴町人物の第1作。副題「大福新長者教」。

にほんえいたいぐら【日本永代蔵】

にっぽんえいたいぐら(日本永代蔵)

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百科事典マイペディアの解説

日本永代蔵【にほんえいたいぐら】

井原西鶴作の浮世草子。正しくは〈にっぽんえいたいぐら〉。町人物。1688年刊。6巻,30話。〈大福新長者教〉の副題が示すように,勤勉・節倹・才知によって富を築こうとする,またそれに失敗する町人の姿を描いたもの。
→関連項目府内

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世界大百科事典 第2版の解説

にほんえいたいぐら【日本永代蔵】

西鶴作の浮世草子。正しくは〈にっぽんえいたいぐら〉と読む。1688年(元禄1)刊。6巻30章。西鶴町人物の第1作で,副題に〈大福新長者教〉とあり,1627年(寛永4)刊の仮名草子《長者教》を意識している。そのためこの作のねらいも致富出世のための教訓にあるかにみえるが,必ずしもそうではない。金銭の世界は伝統的な文学観念からするとき,もっとも非文学的な世界であったが,その世界を描いた新しい文学を,西鶴は《長者教》という先行の見馴れた形式を媒介にして読者のまえに送りだしたのである。

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大辞林 第三版の解説

にほんえいたいぐら【日本永代蔵】

〔正しくは「にっぽんえいたいぐら」〕
浮世草子。六巻。井原西鶴作。1688年刊。「大福新長者教」と副題。倹約・才覚などの重要性を説く立身談・没落談を集める。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

日本永代蔵
にっぽんえいたいぐら

井原西鶴(さいかく)の浮世草子。1688年(貞享5)1月、大坂・森田庄太郎、京都・金屋長兵衛、江戸・西村梅風軒の三都書林が連名して刊行。6巻6冊。副題に「大福新長者教(ちょうじゃきょう)」とあるように仮名草子『長者教』(1627)を受けて、町人の致富または貧窮の話30編を集め、西鶴町人物の第一作となったものである。三井八郎右衛門(巻1の4)、藤屋市兵衛(巻2の1)、酒田の豪商鐙屋惣左衛門(あぶみやそうざえもん)(巻2の5)、豊後(ぶんご)府内の守田山弥之助(もりたさんやのすけ)氏定(巻3の2)、京都の紅染屋(べにぞめや)桔梗屋(ききょうや)甚三郎(巻4の1)、江戸の三文字屋常貞(じょうてい)(巻6の2)など、実在のモデルを指摘することができる。知恵、才覚を縦横に働かせた積極的な商魂によって、あるいはまた欲望を自制する始末倹約の強固な意志力によって、それぞれに巨大な資産をつくりあげた新興町人群像が生き生きと描かれている。このなかで、金銭に対する執着と人間性との矛盾相克の姿、あるいは金銀の魔力に取り憑(つ)かれた人間がたどる転変たる生涯をもみごとに形象化することに成功している。巻3の5の主人公呉服屋忠助や巻4の5の小橋の利助たちがそれである。激烈な経済生活のなかで悪戦苦闘して、あるいは富み栄え、あるいは貧窮没落する町人群像の光と影を、「人程賢て愚なる者はなし」(巻5の2)といった人間に寄せる深い感慨とともに大観し、貧富二様の是非もない人の世の実体に迫った作品である。版を重ね、1824年(文政7)には『大福新長者鑑(かがみ)』と改題出版され、江戸時代を通じたベストセラーとなっている。[浅野 晃]
『野間光辰校注『日本古典文学大系 48 西鶴集 下』(1960・岩波書店) ▽谷脇理史校注・訳『完訳日本の古典 52 日本永代蔵』(1983・小学館)』

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世界大百科事典内の日本永代蔵の言及

【長者教】より

…なおいろいろな教訓歌を並べ,また〈たくわへ太郎たねもち〉といった福の神10人や貧乏神10人を挙げて,その名前に教訓を託している。西鶴の《日本永代蔵》の副題は,《大福新長者教》である。【野田 寿雄】。…

※「日本永代蔵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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