下水汚泥(読み)げすいおでい

改訂新版 世界大百科事典 「下水汚泥」の意味・わかりやすい解説

下水汚泥 (げすいおでい)

下水を処理した結果排出される余剰汚泥をいう。下水道の普及率の上昇とともに下水汚泥の産出量も急増してきた。下水汚泥は適当な凝集沈殿剤を加えたのち脱水し,水分70%程度の脱水汚泥となる。脱水汚泥は陸上埋立て,海面埋立て,海中投棄,有効利用などにより処分されている。陸上・海面埋立地の有限性のため,汚泥は焼却処理により1/5~1/7に減量させる必要があるが,焼却設備や燃料費などの経費負担が大きなものになっている。埋立地確保の困難性と海中投棄が拒否されつつあるため,下水汚泥の有効利用による処分が重視されている。建築資材としての利用も考えられるが,現在のところ有効利用の大部分は緑・農地への有機質肥料あるいは土壌改良資材としての施用である。この場合はそのまま乾燥したり,もみがらやおがくずを添加後発酵熟成させるコンポスト化などにより,衛生的な取り扱いやすい製品にする必要がある。
汚泥
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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