最新 地学事典 「不整合相」の解説
ふせいごうそう
不整合相
incommensurate phase
相転移において,転移後に生じた低対称相の単位胞に含まれる式量が,高対称相のそれの整数倍になっていない場合を不整合相という。つまり,高対称相における格子定数と,低対称相のそれとの間に簡単な整数の関係が成り立っていない。このような低対称相は,「共通の尺度がない」という意味の語incommensurateを使って,インコメンシュレート相とも呼ばれる。これに対して整数倍になっている相を整合相(コメンシュレート相)と呼ぶ。高対称相(慣例としてノーマル相と呼ぶ)にある結晶の温度を下げると不整合相が現れ,さらに温度を下げると通常整合相に転移する。石英にみられる高温型石英(ノーマル相)→不整合相→低温型石英(整合相)の相転移は一つの例である。
執筆者:飯石 一明
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

