丑紅(読み)ウシベニ

デジタル大辞泉 「丑紅」の意味・読み・例文・類語

うし‐べに【×丑紅】

寒中丑の日に買う紅。口中の荒れを防ぐといわれる。寒紅 冬》「―を皆濃くつけて話しけり/虚子

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「丑紅」の意味・読み・例文・類語

うし‐べに【丑紅】

  1. 〘 名詞 〙 寒中の丑の日に買う紅。紅は薬用効果があるが、寒中に製造した紅は品質がよく、口中の荒れを防ぐという。寒紅(かんべに)赤丑(あかうし)。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「寒中丑の日 丑紅と号て女子紅を求む」(出典:東都歳事記(1838)一一月)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の丑紅の言及

【口紅】より

…しかし,ベニバナは全国的に栽培されていたが,収量が少なく〈紅1匁,金一匁〉といわれたほど高価だった。特に良質の紅は,冬のいちばん寒い寒(かん)のうちの深夜,それも丑の刻につくったものが色も変わらず品質も優れていたので,寒紅(かんべに)とか丑紅(うしべに)とよばれて珍重されていた。紅は皿や猪口(ちよこ)や小筥(こばこ),板などに塗りかさねて市販された。…

※「丑紅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android