世安村(読み)よやすむら

日本歴史地名大系 「世安村」の解説

世安村
よやすむら

[現在地名]熊本市世安町

西を白川が南流し、北と東は本山もとやま村、南は十禅寺じゆうぜんじ村である。中世には神蔵かみくら庄に属し、貞応三年(一二二四)五月二一日の関東下文案(詫摩文書)に「与安付惣別当職」とみえ、藤原(大友)能直の次男詫磨能秀に対する与安名などの譲与が安堵されている。正嘉元年(一二五七)五月一〇日能秀は母風早殿(大谷殿)から寺用米不足の旨が伝えられたので、七月一〇日以前に大谷長老に与安名六〇丁ノ分の年貢銭一貫五六〇文などを運上せよと各名の給主らに命じている(「大谷殿御墓寺々米用途支配状」同文書)。建治元年(一二七五)一〇月一九日能秀の子時秀(寂尊)は太郎頼秀に他の子息に譲った残りの与安名などを譲った(「時秀譲状案」同文書)。しかし弘安一一年(一二八八)四月二五日にもほぼ同様の所領所職を頼秀に譲っており(「時秀譲状案」同文書)同日に与安名内の田一町などをくまつる(貞重)に、同年二月二四日に「よやす」のうち三町の所領などをつるきく(武貞か)に譲っている(「時秀譲状案」同文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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