世継曾我(読み)よつぎそが

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「世継曾我」の意味・わかりやすい解説

世継曾我
よつぎそが

浄瑠璃。時代物。5段。近松門左衛門作。天和3 (1683) 年宇治加賀掾座初演。また貞享1 (84) 年,竹本義太夫が竹本座創立公演で本作を語り大好評を得た。『曾我物語』に取材。工藤祐経を討ったのち曾我五郎時致が頼朝の面前に引出されることから始り,家来の鬼王,団三郎,兄弟の愛人の虎,少将,母らの動静を記し,十郎の遺子祐若が朝比奈三郎に助けられ,曾我の本領を頼朝から与えられて終る。近松作と確証のある浄瑠璃のうち最古の作。兄弟仇討ちの後日譚として曾我物に新構想を試み,また遊里を取入れて曾我物近世化のさきがけとなった。

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