両面宿儺(読み)りょうめんすくな

朝日日本歴史人物事典 「両面宿儺」の解説

両面宿儺

5世紀初頭ごろ,飛騨(岐阜県)に住んでいたとされる伝説上の怪人。『日本書紀』仁徳天皇65年条にみえる。胴はひとつでありながら,頭部前後顔面がふたつあり,手足はふたつの顔に対応し,膝はあるが膕と踵はない。力強く敏捷で,左右にそれぞれ剣を帯び,2組の手で2組の弓矢を使ったが,天皇の命に従わず民を苦しめていたため,天皇の派遣した武振熊に滅ぼされたという。飛騨の大和朝廷への服属過程がデフォルメされた説話で,怪人の姿は畿内とは異質の山国飛騨の文化を象徴するものであろう。飛騨または飛騨人の文献上の初見であり,後世,飛騨地方では,この怪人にまつわる様々な伝説が生み出された。

(谷口研語)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「両面宿儺」の解説

りょうめんすくな【両面宿儺】

岐阜の日本酒。酒名は、飛騨国にいたとされる妖怪にちなみ命名。飛騨地区限定発売酒。大吟醸酒吟醸酒がある。原料米はひだほまれ。仕込み水は北アルプス山系の伏流水蔵元の「二木酒造」は元禄8年(1695)創業。所在地は高山市上二之町。

出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報

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