日本酒(読み)ニホンシュ

デジタル大辞泉 「日本酒」の意味・読み・例文・類語

にほん‐しゅ【日本酒】

日本在来の醸造法によって造った酒。特に、清酒をいう。
[補説]平成27年(2015)、国レベルの地理的表示として指定。原料の米・米麹こめこうじに日本国内産米のみを使用し、日本国内で製造された清酒だけが「日本酒」(英語ではJapanese Sake)を独占的に名乗れる。
[類語]酒類さけるい酒類しゅるい般若湯アルコール御酒お神酒銘酒美酒原酒地酒忘憂の物醸造酒蒸留酒混成酒合成酒清酒濁酒どぶろく濁り酒生酒新酒古酒樽酒純米酒灘の生一本本醸造酒吟醸酒大吟醸冷や卸し屠蘇とそ甘露酒卵酒白酒甘酒焼酎泡盛ビール葡萄酒ワインウイスキーブランデーウオツカラムテキーラジン焼酎リキュール果実酒梅酒薬酒やくしゅみりん白酒しろざけ紹興酒ラオチューマオタイチューカクテルサワージントニックジンフィーズカイピリーニャマティーニ

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精選版 日本国語大辞典 「日本酒」の意味・読み・例文・類語

にほん‐しゅ【日本酒】

  1. 〘 名詞 〙 日本在来の醸造法による酒。特に、清酒をいう。
    1. [初出の実例]「日本酒(ニホンシュ)改良の一事是なり」(出典:内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉三)

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食の医学館 「日本酒」の解説

にほんしゅ【日本酒】

《栄養と働き》


 米に麹(こうじ)を加えて糖化させ、それを酵母で発酵させてつくられる日本酒は、米を主食とする日本民族の伝統酒です。
 近ごろは、ビールやワインなど、他のアルコール類に押されて、国内での消費量は減っていますが、アメリカなどでは日本食の浸透とともに人気上昇中。とくに吟醸酒(ぎんじょうしゅ)は、その繊細な風味が高い評価を得ています。
 相撲(すもう)の力士は、肌の色つやがよいことで知られています。これは彼らが、十分な運動をしたうえで、栄養豊富な食事をしていることに加え、ふだんから日本酒を多く飲むことにも関連があるというのが定説とされています。
○栄養成分としての働き
 日本酒には、各種のアミノ酸ペプチド、酸といった身体機能の活性化にかかわる成分が、ほかのアルコール飲料よりも豊富に含まれています。
 これらの働きによって血行が促進され、体があたたまるとともに新陳代謝が活発になって、肌の色つやもよくなるというわけです。
 日本酒の消費量が多い東北地方で肝臓がんによる死亡率が低いのは、日本酒がもつ制がん作用によるものともいわれています。
 さらに、血圧の上昇を抑制するアンジオテンシン変換阻害酵素を含むほか、善玉コレステロールを増加させる効果も認められており、高血圧、脂質異常症、動脈硬化などの症状改善にも期待がもてます。
○注意すべきこと
 日本酒はアルコール飲料です。飲みすぎれば、逆に肝臓などに負担をかけます。

《調理のポイント》


 日本酒の原酒のアルコール度数は世界の醸造酒のなかでもっとも高く、22~23度にもなります。
 そのため、市販の日本酒は15度前後まで水で薄められたものが一般的。以前は1級、2級などの等級制度がありましたが現在は廃止され、原料や製法によっていろいろな種類にわけられます。
 たとえば、原料に米と麹と水しか使わない純米酒、原料米の総重量の10%以内の酒造用アルコールを添加した本醸造など。
 最近人気の高い吟醸酒は、とくに高度に精白した米を低温で長時間かけて発酵させたもので、フルーティーな香りが特徴です。
 ビンのラベルに示される日本酒度や酸度は、甘口・辛口の指標となる数字で、日本酒度はマイナス値が大きくなるほど甘口。酸度は、数値が大きいほど辛口に感じます。
 日本酒の楽しみ方といえば、晩酌(ばんしゃく)に1杯というのが一般的です。燗(かん)をつける場合、あまり熱くすると風味をそこなうので高くても50度程度、質のよいものはひと肌程度にとどめたほうが、おいしく味わえるでしょう。吟醸酒は冷やで飲んだほうが、繊細な香りを活かすことができます。
 また、日本酒は調味料として使っても、風味をよくしたり、素材をやわらかくするなどの効果を発揮します。調味料として使う場合、貝類、イカ、鶏肉などのように身の締まった素材のときは料理のはじめから、逆に白身魚のようにやわらかい素材なら、あとのほうで入れるのがコツです。
 このほか、強い酸味や塩味をやわらげるのにも有効ですし、冷えてかたまったそばに振りかけると、ほぐれやすくなり、香りも引き立ちます。

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改訂新版 世界大百科事典 「日本酒」の意味・わかりやすい解説

日本酒 (にほんしゅ)

清酒の別称。外国起源の酒にたいし,日本在来の酒の意味で用いられる。例えば《巻懐食鏡(けんかいしよつきよう)》(1716)は中国の酒にたいして清酒を日本酒と呼んでいる。しかし,外来酒が庶民の口に入ることのまれであった明治以前では,日本酒という呼称は一般には用いられず,ビール,ブドウ酒ウィスキーなどの外来酒の国産化が始まった明治以降,それまで〈酒〉の名で一般に通用していた清酒を〈日本酒〉と呼ぶようになった。
清酒
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飲み物がわかる辞典 「日本酒」の解説

にほんしゅ【日本酒】


日本の伝統的な製法で米を発酵させてつくる醸造酒。一般的な製法は、以下の通り。蒸し米を用いて麹菌、酵母を培養し、それぞれ麹、酒母とする。酒母に、蒸した米、麹、水を通常3回に分けて加え、20~30日前後発酵させてもろみをつくる。発酵が進んだところで圧搾・濾過(ろか)する。これは三段仕込みなどといわれる製法で、麹による米のでん粉の糖化と酵母による糖のアルコール発酵を同時に並行して行うのが特徴であり、これにより醸造酒としては最も高い類に属するアルコール度数が可能となる。度数は15~20度が多く、酒税法で22度未満と規定されている。酒質を整えたり香味を向上させたりするために醸造アルコール等を添加して発酵させるものもあるが、使用量が酒税法や「清酒の製法品質表示基準」などで規定されている。◇「清酒」ともいう。酒税法等の法令などではこの語を用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本酒」の意味・わかりやすい解説

日本酒
にほんしゅ

日本伝来の醸造法による、米と米麹(こうじ)とを主原料としたアルコール含有飲料である清酒の別称。

[編集部]

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日本文化いろは事典 「日本酒」の解説

日本酒

酒とは、白米を蒸して麹〔こうじ〕(※)と水を加えて発酵・熟成させて作る飲み物の事で、料理の調味料としても用いられます。また酒は百薬の長と言 われ、適量飲酒を心がけていれば非常に健康に良いとも言われています。日本全国で様々な種類の酒が製造されており、各地の地酒として特色のある商品が流通 しています。※麹…米・麦・豆などを蒸したものに麹菌を繁殖させたもので、酒・醤油・味噌などを製造するのに用います。

出典 シナジーマーティング(株)日本文化いろは事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日本酒」の意味・わかりやすい解説

日本酒
にほんしゅ

日本古来の酒。清酒,合成酒,味醂,白酒などがある。清酒は白米に麹と水,または酒酵母を加えて醸造する。その歴史は古く,『日本書紀』に記録があるが,現在の清酒に近い形をとったのは江戸時代以降である。合成酒はアルコール,糖分,酸,アミノ酸その他を調合して造られるもので,大正初期がその始りである。

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百科事典マイペディア 「日本酒」の意味・わかりやすい解説

日本酒【にほんしゅ】

清酒,濁酒(どぶろく),焼酎(しょうちゅう)などの総称であるが,ふつうは清酒をさす。

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世界大百科事典(旧版)内の日本酒の言及

【清酒】より

…米と米こうじと水を主原料として醸造した日本固有の酒。明治以降,各種外来酒の国産化が始まってから,一般に日本酒とも呼ばれている。麴(こうじ)
[来歴]
 《播磨国風土記》にはカビの生えた乾飯(かれいい)で酒をかもしたという伝承が記載されており,日本では8世紀初頭すでに酒造にこうじが用いられていたことをうかがわせる。…

※「日本酒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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