日本歴史地名大系 「中村堰」の解説 中村堰なかむらせき 群馬県:藤岡市中村堰烏(からす)川沖積層平地の灌漑用水。はじめ鮎(あゆ)川から、のち鏑(かぶら)川から引水、鏑川水系最古の用水とされる。近世には立石(たついし)・森(もり)・中(なか)・中栗須(なかくりす)・上栗須五ヵ村で組合をつくり管理にあたっていた。文政一〇年(一八二七)には中村の百姓二〇人が漁猟のため用水路を塞ぎ、蛇籠や砂利留籠を破損したために灌水が滞り、下流の村々から訴えられている(「用水出入済口証文」松村文書)。現在は温井(ぬくい)川に落ちる分や多野(たの)郡新(しん)町に達するものも含め、総延長六・五キロ、受水面積二八七町に及ぶ。近世には岩鼻代官所が直轄し、鏑川を上下する船も取入堰を開いて通ることは許されず、堰の上下に船を留めて積荷の引継ぎをしたと伝える。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by