蛇籠(読み)じゃかご(英語表記)gabion

翻訳|gabion

日本大百科全書(ニッポニカ)「蛇籠」の解説

蛇籠
じゃかご
gabion

鉄線などで編んだ円筒形の中に玉石(たまいし)や栗石(くりいし)を詰め込んだもの。籠の大きさは直径40~60センチメートル、長さ4~10メートル程度のものが多い。蛇籠は屈撓(くっとう)性があり、堤防の法面(のりめん)や法先(のりさき)に並べて置き、護岸の法覆工(のりおおいこう)や根固め工として用いられる。蛇籠は多孔質で小動物の生息場となり、また草木で覆われるので、環境護岸として用いられる。

[鮏川 登]

文様

蛇籠をモチーフとした模様。今日知られているもっとも古い作例は、室町時代の山水蒔絵(まきえ)手箱(重要文化財、MOA美術館)に描かれたものである。その後、桃山時代から江戸時代にかけて、絵画では「柳橋水車図」になくてはならない点景となり、染織では流水や芦(あし)を添えてこの模様を表した小袖(こそで)が数多くつくられた。

村元雄]

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精選版 日本国語大辞典「蛇籠」の解説

じゃ‐かご【蛇籠】

① 中に栗石、砕石などを詰めた、粗く編んだ長円形の竹または鉄線製の籠。河川の護岸工事で、土砂の防止、水流制御などに用いる。その形が、大蛇の伏している姿に似ているところからいう。石籠。じゃこ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※俳諧・鷹筑波(1638)二「つららさへ角(つの)にみえける虵籠(ジャカコ)哉〈正平〉」
歌舞伎の「だんまり」などで、何人かの人物が、それぞれ前の人物の右手を当て、ひきとめる形で一列に並ぶ演技。

じゃ‐こ【蛇籠】

〘名〙 =じゃかご(蛇籠)

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百科事典マイペディア「蛇籠」の解説

蛇籠【じゃかご】

海岸・河川の護岸水制に用いる工作物の一つ。竹あるいは鉄線で編んだ籠に玉石や割石をつめたもので,水流の速い個所や,堤防がくずされる可能性の多い個所へ設置される。形状から達磨(だるま)籠,ふとん籠,かまぼこ籠,扇籠などがある。

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デジタル大辞泉「蛇籠」の解説

じゃ‐かご【蛇籠】

竹または鉄線で粗く円筒形に編んだかごに石を詰めたもの。河川の水流制御や護岸などに用いる。石籠せきろう。じゃこ。
歌舞伎の「だんまり」などで、何人かの人物がそれぞれ前の人物の腰に右手を当て、引きとめる形で1列に並ぶ所作

じゃ‐こ【蛇籠】

じゃかご(蛇籠)1」に同じ。

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世界大百科事典内の蛇籠の言及

【牛類】より

…牛枠,聖牛(せいぎゆう)(ひじりうしとも),猪子(いのこ)など多数の種類がある(図)。河床が砂利や石などから成り,杭などを打ち込むことがむずかしい扇状地河川に主として設置され,流されるのを防ぐため,竹や鉄線で細長く編んだ籠に石をつめたもの(蛇籠という)などを重石として用いる。【大熊 孝】。…

【籠】より

…しかし平面的な養蚕用の籠のように,籠の範疇に入れるべきか迷うようなものもある。大きさも大は長さ10mにも達するような河川工事用の蛇籠から,小はホタル籠までさまざまである。俗に〈かご〉と呼ばれているもののなかには,編み方からいえば籠のらち外にあるものもある。…

【治水】より

…二重堤は二つとも根敷・馬乗(馬踏)を広くし,堤を低くするとして,水流を狭い河川敷に閉じこめることは考えていない。広い河川敷の中を流れる水が堤防の近くを流れる場所では,堤の幅をさらに広くし,堤の腰に杭を打ち,しがらみを造り,蛇籠(じやかご)を伏せることもある。川の曲り目や水が常に堤を洗う場所には,木枠を組んで石をつめる石枠を作る。…

※「蛇籠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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