20世紀日本人名事典 「中江 丑吉」の解説
中江 丑吉
ナカエ ウシキチ
大正・昭和期の中国学者,中国古代思想研究者
- 生年
- 明治22(1889)年8月14日
- 没年
- 昭和17(1942)年8月3日
- 出生地
- 大阪・曽根崎
- 学歴〔年〕
- 東京帝大法学部〔大正3年〕卒
- 経歴
- 大正3年袁世凱の法律顧問有賀長雄の秘書として北京に渡り永住。翌年秘書を辞任し、以後定職を持たなかった。8年五四運動の際、曹汝霖を救った。父の友人西園寺公望や満鉄の研究費で学究生活を送り、ヘーゲルやマルクスに傾倒、中国古代史の研究に従事。また潜行中の佐野学、片山潜らを泊め、中国革命の協力者鈴江言一の学習を助けた。太平洋戦争中、近衛文麿首相らの招きには応ぜず、軍国主義日本の崩壊を予言していた。蔵書6800余册は中江文庫として京大人文科学研究所に寄贈。著書に「中国古代政治思想」、鈴江言一編「中江丑吉書簡集」がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」（2004年刊）20世紀日本人名事典について 情報