秘書(読み)ヒショ

デジタル大辞泉 「秘書」の意味・読み・例文・類語

ひ‐しょ【秘書】

要職の人に直属して、機密文書事務などを取り扱う職。また、その人。セクレタリー。「社長秘書
秘密の文書。また、それを扱う人。
秘して人に見せない書物秘蔵の書物。「秘書を公開する」
[類語]セクレタリー

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精選版 日本国語大辞典 「秘書」の意味・読み・例文・類語

ひ‐しょ【秘書】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 秘して、人に見せない書物。秘蔵の本。また、秘伝を書いた書物。
    1. [初出の実例]「親昵之間相互雖秘書、但依人異事歟」(出典:明衡往来(11C中か)中本)
    2. 「訓閲虎之巻といふ、兵学の秘書(ヒショ)ありき」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)残)
    3. [その他の文献]〔風俗通‐正失・封泰山禅梁文〕
  3. 秘密で、重要な文書。機密文書。また、それを扱う人。
    1. [初出の実例]「後三条院御記可持参、年来早雖進覧、依我身秘書手」(出典:中右記‐康和四年(1102)一〇月二三日)
  4. 天子が秘蔵する書物。宮中蔵書。〔漢書‐叙伝上〕
  5. ( [英語] secretary訳語 ) 要職にある人の身の回りにいて、機密の文書や事務を取り扱う役の人。セクレタリー。〔改正増補和英語林集成(1886)〕

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普及版 字通 「秘書」の読み・字形・画数・意味

【秘書】ひしよ

秘密の書。緯書の類。また、秘閣の書、その官。〔旧唐書、文苑中、賀知章伝〕知年尤も縱(しやうたん)を加へ、復(ま)た規檢無し。自ら四狂客と號し、祕書外監とし、里に遨(がういう)す。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「秘書」の意味・わかりやすい解説

秘書
ひしょ
secretary

秘書の語はもともとは秘蔵の書籍をさしたが、そこから転じて、長官、社長など高級役職者に直属して機密の文書や事項をつかさどる者をいうようになった。その職務内容は、(1)重要文書の整理・保管、(2)印章の保管、(3)決裁書類の進達・処理、(4)会議書記(招集手続、議事録作成)、(5)庶務(日程のやりくり、電話連絡、文書の浄書・受発信など)である。日本では、(5)だけの秘書も多い。要求される人的資質としては、献身、慎重、判断力、記憶力などである。日本では、前述の職務実態との関係で、単なる庶務係とみなす傾向が強かったが、しだいに欧米式の専門職とみる方向へ変わりつつあり、専門の養成機関も現れている。

[森本三男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「秘書」の意味・わかりやすい解説

秘書
ひしょ
secretary

個人や会社,団体などの要職にある人に直属して,機密事項や付随事務を取扱う職務,人。セクレタリー。日本では女性が多く従事し,庶務的な業務を主としてきたが,アメリカではコントローラートレジャラーと並ぶトップ・マネジメントの三役の一つとされ,法律,株式,会議,文書などに関する諸業務を統括し,きわめて重要な役割を果している。

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デジタル大辞泉プラス 「秘書」の解説

秘書

山田風太郎の伝奇小説。1968年刊行。「忍法帖」シリーズ。後に「秘戯書争奪」に改題。

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