丹生浦(読み)にううら

日本歴史地名大系 「丹生浦」の解説

丹生浦
にううら

[現在地名]美浜町丹生

敦賀半島の西側にある若狭国最北端の村。東と北は越前敦賀郡(現敦賀市)、南は竹波たけなみ村。西は若狭湾に面するが、集落琴引ことびき崎がつくる丹生湾の湾内に開けている。

「扶桑略記」の延喜一九年(九一九)一一月一八日の記事に「大納言藤原朝臣道明尹文奏若狭守尹衡許告来渤海客来着之由」とあり、同二一日の記事に「客徒牒状云、当丹生浦中浮居云々」とある。一〇五人の渤海客は同年一二月二四日、越前松原まつばら客館(現敦賀市)へ移された(同書)。文永二年(一二六五)の若狭国惣田数帳写に国領丹生浦三町六反余がみえる。永仁五年(一二九七)僧慶善私領田寄進状(園林寺文書)の四至に「東限邇生河」「北限邇生河」とあり、伴信友はこれを当地の川とする(若狭国神社私考)。正応九年(一二九六)の某下知状(丹生区有文書)に「丹生浦奥山事」として山相論が記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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