久富木村(読み)くぶきむら

日本歴史地名大系 「久富木村」の解説

久富木村
くぶきむら

[現在地名]宮之城町久富木

山崎やまさき山崎村の東、西流する久富木川中流域にあり、同川南方を中心に山王さんのう岳北麓へと広がる。東は大村おおむら下手しもで村・藺牟田いむた郷藺牟田村(現答院町)。西端寄りをほぼ南北に鹿児島と宮之城郷屋地やち村とを結ぶ道が通り、久富木川北岸側をほぼ東西に通る山崎村と大村郷を結ぶ道と交差していた。享徳元年(一四五二)島津氏によるけどう検田が行われた際、九月一日に時吉穴ときよしあな川口から始められた検田は一〇月二〇日までの間に、「久富来」などを終えている(寛正五年「平徳重覚書」町田氏正統系譜)。文明六年(一四七四)の行脚僧雑録(旧記雑録)には答院分として久富木がみえる。これは当地野久尾のくびに築かれていた久富木城をさし、城主答院氏五代(六代説もある)公重(重成)の弟重氏を祖とする久富木氏で、当地を領していたとされる答院記・宮之城記。同一七年島津氏が答院氏を攻撃した文明大合戦では、二月久富木又太郎は藺牟田城主の支援に馳せ参じ、遠見岡とおみがおかに陣を構えて島津忠廉軍と戦ったが、城は落され、久富木らは敗走した(「西藩野史」など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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