普及版 字通 「也」の読み・字形・画数・意味
也
人名用漢字 3画
[字訓] なり・や・かな
[説文解字]
[金文]
[その他]
[字形] 象形
(い)とよばれる水器の形で、の初文。〔説文〕十二下に「女陰なり。象形」とし、重文として秦刻石の也の字をあげる。その字は秦・漢通行の字形であるが、すでにその初形を失ったものである。また語末の詞には古くは(えい)を用い、秦の〔新虎符(しんせいこふ)〕に「行け(や)」のようにいう。は呪医が矢で病気を祓うときに叫ぶ声を示し、(医)の初文。也を用いるのは音の仮借である。後の文章では、終助詞として用いるときに、その用義を示すため他の終助詞と組み合せることがあり、也已・也矣・也呵・也乎・也乎哉・也哉・也邪・也耶・也与のようにいう。
[訓義]
1. 終助詞の、なり。
2. 疑問・詠嘆の、や・か・かな。
3. 主語などを提示する、や。
4. 女陰。
5. の初文。のちを用いる。
6. 副詞として、また。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕也 ナリ・マタカ(マタタカ)・ハルカナリ・スユ(ヱ)〔字鏡集〕也 コトハ・ハルカナリ・コレ・ナリ・マタ・ナムチ・ヤ
[声系]
〔説文〕に也声として・施・馳・・弛・地・など十二字を録する。也の初形は蛇(巳)と近く、両者の声はもと異なるものであった。ゆえに也声の字には、その両系がある。
[熟語]
也可▶・也乎▶・也哉▶・也似▶・也者▶・也耶▶
[下接語]
允也・今也・行也・士也・惜也・天也・展也・命也
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報