家庭医学館 「乳房外パジェット病」の解説
にゅうぼうがいぱじぇっとびょう【乳房外パジェット病 Extramammary Paget's Disease】
乳房外(にゅうぼうがい)ページェット病(びょう)ともいい、高齢者の外陰部によくできるほか、肛門(こうもん)の周囲やわきの下にもできます。最初は淡い紅褐色をした平らな病変で、湿疹(しっしん)やいんきんたむしとまちがわれることがあります。外陰部のものは、外陰パジェット病(「外陰パジェット病(外陰ページェット病)」)と呼びます。
かゆみは軽く、少し進行するとかさぶたやしこりができます。見つけにくい場所のため、手遅れになってから診断されることが少なくありません。
なお、乳房パジェット病は女性の乳房乳頭部(にゅうとうぶ)に生じる乳がんの一種ですが、皮膚の変化は乳房外パジェット病とほとんど同じ特徴を示します。
●自己発見法
外陰部に赤みのある湿疹のような病変やかさぶたができ、治りにくく、ようすがおかしい場合は皮膚科専門医の診察を受けましょう。
[治療]
早期のものならば、手術のみで完治します。しかし、進行してリンパ節などに転移すると、化学療法や放射線療法も効かず、治りにくくなります。