乾舷(読み)カンゲン(英語表記)freeboard

翻訳|freeboard

デジタル大辞泉 「乾舷」の意味・読み・例文・類語

かん‐げん【乾舷】

船の中央部で、満載喫水線きっすいせんから上甲板舷側までの高さ。これが十分にないと浮力が不足し、安全性が損なわれる。

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精選版 日本国語大辞典 「乾舷」の意味・読み・例文・類語

かん‐げん【乾舷】

  1. 〘 名詞 〙 船の中央部で、喫水線から上甲板の舷側(厳密にはフリーボード甲板舷側縦板上面)までの高さ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「乾舷」の意味・わかりやすい解説

乾舷
かんげん
freeboard

フリーボード。船の長さの中央ではかった,満載喫水線から上甲板上部までの垂直距離をいう (→喫水線 ) 。船の予備浮力を示すもの。航海の安全上,積荷を制限して船に十分な浮力を確保させるため,1930年ロンドンの国際満載喫水線会議で,乾舷の決定方法が統一され,日本でも,33年の船舶安全法,翌年施行規則とともに船舶満載喫水線規程が公布された。これらの規則により 150t以上の船舶は外航,内航ともに満載喫水線の標示が義務づけられた。 150t以下 20t以上についても,57年運輸省令で標示が規定された。満載喫水線標示は,それ以上水中に下がらないようにして乾舷を維持させるもので,乾舷標示 (フリーボードマーク) という。乾舷の決定は,船体の形状と強度の面から別個に算定方式が規定され,そのうち最大のものを夏季乾舷とし,これを基準に航行海面と季節による修正を行い,各種乾舷,つまり各種満載喫水線が指定され,それを船体両舷側中央部に標示することになっている。乾舷標示にはS (夏季乾舷) ,W (冬季乾舷) ,WNA (冬季北大西洋乾舷) ,T (熱帯乾舷) ,F (夏季淡水) ,LS (夏季木材乾舷) などがある。

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