二つ無し(読み)フタツナシ

デジタル大辞泉 「二つ無し」の意味・読み・例文・類語

ふたつ‐な・し【二つ無し】

[形ク]
一つしかない。
「―・き恋をしすれば常の帯を三重結ぶべくが身はなりぬ」〈・三二七三〉
並ぶものがない。この上ない。
「喜ぶこと―・し」〈土佐
もっともである。
「汝が云ふ所―・し」〈今昔・五・二四〉

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精選版 日本国語大辞典 「二つ無し」の意味・読み・例文・類語

ふたつ‐な・し【二無】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙
  2. たぐいがない。ならぶものがない。無比である。無双である。
    1. [初出の実例]「頂(いなだき)に蔵(きす)める玉は無二(ふたつなし)かにもかくにも君がまにまに」(出典万葉集(8C後)三・四一二)
  3. ひとつしかない。かけがえがない。
    1. [初出の実例]「二無(ふたつなき)恋をしすれば常の帯を三重結ぶべく我身はなりぬ」(出典:万葉集(8C後)一三・三二七三)
  4. もっともである。
    1. [初出の実例]「汝が云ふ所二つ无し」(出典:今昔物語集(1120頃か)五)

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