無二(読み)ムニ

デジタル大辞泉 「無二」の意味・読み・例文・類語

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精選版 日本国語大辞典 「無二」の意味・読み・例文・類語

む‐に【無二】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) 同じもの、同等のものが他に一つもないこと。並ぶもののないこと。またとないこと。また、そのさま。無双。無比。
    1. [初出の実例]「我等が無二の丹誠を知見して、一々の懇志を納受し給へ」(出典:平家物語(13C前)二)
    2. [その他の文献]〔史記‐淮陰侯伝〕
  3. ( 形動 ) ふたごころのないこと。裏切る心を持たないこと。ならびなく忠義であること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「入道頓て戸野が語ひに随て、我館へ宮を入進らせ、無二の気色に見へければ」(出典:太平記(14C後)五)
    2. [その他の文献]〔春秋左伝‐僖公一五年〕
  4. むに(無二)の友」の略。
    1. [初出の実例]「夫より某が父と無二になり、『御用に可立者也』と陰にて云たりと」(出典:政談(1727頃)四)
  5. 仏語。時間・空間を超え、変化・無変化もなく、有でもなく無でもない、対立を超えた世界。また、その認識。不二(ふに)
    1. [初出の実例]「明尋常念相者、此有多種。大分為四。〈略〉四無相業。謂雖称念仏、欣求浄土、而観身土、即畢竟空、如幻如夢、即躰而空、雖空而有、非有非空、通達此無二、真入第一義、是名無相業」(出典:往生要集(984‐985)大文一〇)
  6. ( 形動 ) 「むにむさん(無二無三)」の略。
    1. [初出の実例]「男の切懸(きっかけ)を違へぬによって、無二(ムニ)に討ち果す」(出典:仮名草子・身の鏡(1659)上)

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普及版 字通 「無二」の読み・字形・画数・意味

【無二】むに

無比。無双。〔史記、准陰侯伝〕(通曰く)、足下西河(わた)りて魏王を(とりこ)にし、~趙を徇(したが)へ、燕を脅(おびやか)し、齊を定め、~西して以て報ず。此れ謂(いはゆる)功、天下に二無く、略(りやく)(計略)、不世出なるなり。

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