二ニュートリノ説(読み)にニュートリノせつ(その他表記)two neutrino theory

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「二ニュートリノ説」の意味・わかりやすい解説

二ニュートリノ説
にニュートリノせつ
two neutrino theory

ニュートリノには電子に伴って現れる電子ニュートリノとμ粒子に伴って現れるミューニュートリノとの2種類があるという説。この説は 1942年坂田昌一らの二中間子論で仮定されたが,実験によって確認されたのは 20年後であった。 56年 F.ライネスと C.L.コーワンは原子炉からの強い反ニュートリノビームによりβ崩壊の逆過程を起させたが,このとき放出されたのは陽電子だけであって正μ粒子は1個もなかった。これに対し,62年ブルックヘブン研究所で高速π中間子の崩壊から得られた高エネルギーのニュートリノビームによってμ粒子を得ることに成功したが,このときは電子が見出されなかった。これらの実験はニュートリノに2種類あることを示すものである。現在ではニュートリノは少くとも3種類あることが確定している。

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