二上庄(読み)ふたがみのしよう

日本歴史地名大系 「二上庄」の解説

二上庄
ふたがみのしよう

現高岡市域に比定される庄園。文正元年(一四六六)四月八日の後花園上皇院宣(温故古文抄)に「二上庄内二墓保」とあり、二墓は市街南方の二塚ふたづかにあたることから、庄域は二上山周辺から小矢部おやべ川を越え、千保せんぽ川右岸地域にまで広がっていたと考えられる。寛元二年(一二四四)二上庄預所と石黒弥三郎との間に相論があり、鎌倉の問注所において明年二月中に両者が参決するよう命じられている(寛元二年一二月二四日「関東御教書」久能木文書)。石黒氏は古代以来の在地豪族で石黒弥三郎は当時二上庄の地頭だったのであろう。二上庄へのかかわりからすれば、水巻四郎安高の子孫とも思われ、後述する二上新庄の相論にもかかわるものとみられる。寛正六年(一四六五)三月二日の室町幕府奉行人連署奉書案(宮内庁書陵部蔵土御門家文書)は二上庄を「御料所」と記しているから、皇室領であったと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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