二世作家(読み)にせいさっか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「二世作家」の意味・わかりやすい解説

二世作家
にせいさっか

著名な文学者を親にもつ作家。ことに,第2回の三島由紀夫賞山本周五郎賞を,詩人・評論家の大岡信の長男大岡玲と,同じく吉本隆明の次女吉本ばなながそれぞれ受賞したことで話題になった。さらに故福永武彦の長男池澤夏樹の活躍や,井上光晴の長女荒野,江國滋の長女香織などもここに数えられる。しかし,そこには論ずるに足る共通性があるわけではなく,多分に出版社の話題作りの側面もある。古くは明治の作家広津柳浪の次男和郎,幸田露伴の娘文などがおり,現在の中堅作家のなかにも田中英光の子光二,太宰治の娘津島佑子などの二世作家がいる。

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