二宿(読み)にのしゆく

日本歴史地名大系 「二宿」の解説

二宿
にのしゆく

西庄にしのしようの北部、葛城山中にあった葛城修験二十八宿の第二の宿。二宿の名は天永二年(一一一一)九月八日付の木本庄検田目録注進状(東大寺文書)の「神田八段小」のうちに「二宿一段小」とみえ、「諸山縁起」の「転法輪山」の項に「宿の次第」として「二の宿」には「如法経の行者。馬頭塔あり。口伝あり。第七羅網童子は雲自在王仏の垂跡なり。木屎の多輪なり」と記される。

「続風土記」は西庄村の項に「二之宿観音堂」をあげ、「本尊十一面観音、脇士八幡大菩薩、大威徳明王なり、三像共に役行者の作といふ、又此堂の西に行者堂一宇あり、皆八幡社司本山氏別当なり、堂の前方便品の経を蔵めし秀倉あり、山伏の行所にして毎春、聖護院宮代僧誦経執行の所なり、又五月には高野山先達も爰に来て護摩を執行す(行者堂の西より北に出る谷あり、泉州佐瀬川まての直路にて谷川に至る道なり、此谷の南に池あり、二之宿の蓮池と云)古は二之宿の外に苗代之泊・鳩之泊・百足之泊・行者還・阿振寺といふ五箇所の行所ありしとそ、今皆其地を知らす」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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