二段階最小二乗法(読み)にだんかいさいしょうじじょうほう(その他表記)two-stage least squares method

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「二段階最小二乗法」の意味・わかりやすい解説

二段階最小二乗法
にだんかいさいしょうじじょうほう
two-stage least squares method

計量経済学の同時方程式体系の推定法の一種特定構造方程式が2個以上の内生変数を含む場合には,古典的最小二乗法によってはかたよりのある推定値しか得られない。そこでその構造方程式が過剰識別の条件を満たすときには,その構造方程式に含まれる特定の1個以外の内生変数に関する誘導形を最小二乗法によって推定し,その内生変数の推定値をもとの構造方程式の内生変数の値として使用し,先の特定の内生変数を従属変数として構造方程式に最小二乗法を適用する方法が考えられる。このような方法を二段階最小二乗法といい,これによってパラメータの一致推定量が得られる。計算が比較的簡単であるため各種の同時推定法のなかで最もよく使われている方法である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android