知恵蔵 「二酸化炭素隔離」の解説 二酸化炭素隔離 化石燃料を燃やしたときに発生する二酸化炭素を大気中に放出せず、海水中に溶解したり(海洋貯留)、地中や海底に閉じ込めること(地中貯留)。二酸化炭素固定化ともいう。この技術は空になりかけた油田やガス田に、二酸化炭素ガスを高圧力で送り込み石油を回収する二酸化炭素注入技術としても知られている。二酸化炭素を大量に分離しやすい場合にのみ有効で、火力発電所や工場などで煙突から出る排ガス中の二酸化炭素を取り出して隔離することが検討されている。日本では国内と近海の帯水層に現状の二酸化炭素排出量の70〜80年分(約900億t)を隔離できるとされている。新潟県長岡市郊外のガス田で実験が行われている。長期にわたり安全に隔離することが必要で、化石燃料を使わない社会へ移行するための中継ぎ的な技術と見られている。 (槌屋治紀 システム技術研究所所長 / 2007年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by