化石燃料(読み)かせきねんりょう(英語表記)fossil fuel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「化石燃料」の解説

化石燃料
かせきねんりょう
fossil fuel

石炭石油天然ガスなど過去の植物や動物の遺骸が変化して生成した燃料。まきや木炭が現世の植物から得られる燃料であるのに対して,これらを化石燃料と呼んで区別したが,現在ではむしろウランに代表される核燃料に対する用語として使用される。化石燃料から取り出されるエネルギーは過去の太陽エネルギーであるため,水力や太陽光などの自然エネルギー,あるいは原子核分裂を利用する核エネルギーに対して,化石エネルギーという語を使うこともある。化石燃料は,おもに炭素と水素原子で構成される炭化水素からなり,固体,液体,気体とさまざまな形態で存在する。化石燃料は燃やすことで,発生する熱を利用して動力を得たり,発電を行なうことができる。

18世紀後半にイギリスで産業革命が始まって以来,化石燃料の利用は急激に増加した。21世紀の初めには,世界のエネルギー供給の約 90%が化石燃料によるものとなった。化石燃料がつくられるには数百万年の時間がかかるため,今後,埋蔵量が大幅に増えることは考えにくく,地球上に残る化石燃料の埋蔵量はかぎられている。ただし採掘技術の進歩によって,利用できる化石燃料の量は増加している。また枯渇が心配される,従来利用されてきた軽質から中質の原油に代わり,重質の原油の利用や,オイルサンドオイルシェールシェールガスなどの新たな燃料源の探索や採掘技術開発も進んでいる。

化石燃料は地球全体に均等に埋蔵されているわけではない。石炭のおもな鉱床は,アメリカ合衆国,ロシア,中国にある。オーストラリアやインド,南アフリカもよく石炭がとれる。石油と天然ガスは,その埋蔵量の半分以上が中東に存在する。中東以外では,カナダやアメリカ合衆国,ロシア,ラテンアメリカやアフリカ,中央アジアなどにあり,その埋蔵量は全体の約 15%を占める。

化石燃料の問題点は,埋蔵量がかぎられることと,燃焼後の環境への悪影響があげられる。石油や石炭を燃やすと,窒素酸化物硫黄酸化物などの有害ガスが放出される。これらのガスは大気を汚染し,大気中の水分と反応して酸性雨をつくりだす。また,化石燃料の燃焼によって発生する二酸化炭素は温室効果によって,気温を上昇させ,地球温暖化を進めることが懸念されている。そのため,原子力,水力,風力などの再生可能なエネルギー源への転換が進められている。

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百科事典マイペディア「化石燃料」の解説

化石燃料【かせきねんりょう】

石炭石油天然ガスオイルシェール,オイルサンドなどのエネルギー資源のこと。太陽エネルギーなどの自然エネルギーの場合には,廃棄物などによる環境汚染が生じない(クリーンエネルギー)が,化石燃料である石炭,石油,天然ガスなど有機化合物の燃焼によるエネルギーの場合には,酸化硫黄,酸化窒素,ススなどを出すという問題がある。
→関連項目IEA水素エネルギー炭素税燃料

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デジタル大辞泉「化石燃料」の解説

かせき‐ねんりょう〔クワセキネンレウ〕【化石燃料】

地質時代を通じて動植物などが地中に堆積し、長い年月をかけて地圧や地熱を受け、変成されてできた有機物。特に、石炭石油天然ガスなど、燃料として用いられるもののこと。メタンハイドレートの利用も期待されている。化石エネルギー。

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精選版 日本国語大辞典「化石燃料」の解説

かせき‐ねんりょう クヮセキネンレウ【化石燃料】

〘名〙 石炭、石油など、大昔生物成分変質(化石化)した燃料源をいう。

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