日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガス田」の意味・わかりやすい解説
ガス田
がすでん
地下のガス層から天然ガスを採収している地帯の呼称。ガス田が存在する地名をとって「新潟ガス田」などという。
ガス田は世界各地に分布しており、今後ますます発見が期待されている。巨大なガス田がいちばん多く存在しているのは旧ソ連地域である。西シベリアをはじめ各地でガス田の開発が進んでおり、1979年には確認埋蔵量が25.8兆立方メートルにも達している。西ヨーロッパでは1959年にオランダで巨大なフローニンゲン・ガス田が発見され、北海油田開発の端緒となった。北海ではまず南部でガス田が発見され、探査は北に進み、北海北部で埋蔵量が大きいフリッグ・ガス田が発見された。産出したガスは海底パイプラインでイギリスへ供給されている。北アフリカには1956年に発見されたアルジェリアのハシルメル・ガス田などの大ガス田がある。アメリカでは南部のテキサスやルイジアナに多くのガス田があり、東海岸など消費地へガスを供給している。カナダではアルバータ州に多くのガス田があるほか、北極圏の北極海諸島でもガス田が発見されている。アジアではタイランド湾にガス田が発見され開発が進行中である。パキスタンにも大きなガス田がある。ガス田開発の進捗(しんちょく)に伴い、油田からの随伴ガスを含め、天然ガスの生産量は1980年には1兆6000億立方メートルに達した。
日本では新潟県に吉井ガス田、東柏崎(ひがしかしわざき)ガス田などがあり、深度5000メートルの所までガス層が発見されている。千葉県下には水溶性ガス田があり、地元の都市ガスとして、また工業原料として使用されている。
[田中正三]