五島焼古窯跡群
ごとうやきこようせきぐん
江戸時代の陶磁器窯の跡。福江島で焼成された陶磁器を五島焼と総称し、明和四年(一七六七)大村領内から陶師が来て初めて開窯したと伝えている(「鶚山君直筆日記書抜」五島編年史)。福江領内の小田・籠淵(現福江市)、山内・戸岐ノ首(現岐宿町)、富江五島領内の富江・繁敷・八本木(現富江町)の七ヵ所が知られる。窯跡の遺構を残すのは富江領内の富江と八本木のみで、文化二年(一八〇五)頃に肥後天草の上田定胤が富江五島家の招請で八本木に開窯したのが富江焼の始まりとされ、のち同領内の田野江の富江窯に移転したという(上田家文書、「天草近代年譜」など)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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