人民のなかへ(読み)じんみんのなかへ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「人民のなかへ」の意味・わかりやすい解説

人民のなかへ
じんみんのなかへ
khozhdenie v narod

1870年代の帝政ロシアで起った社会活動家,学生,インテリゲンチアによる農民社会主義運動のスローガンナロードニキと呼ばれる当時の革命家たちは,人民 (農民) のなかに革命的行動を組織しようと,すすんで農村に入り,社会主義の宣伝や革命の必要を説く活動を行なっていった。このときの合言葉が,「ブ・ナロード (人民のなかへ) !」である。ナロードニキによれば,農民のなかにこそ革命的情熱と能力があり,かかる農民を反乱に決起させ,農村共同体を基礎にして社会主義を建設してゆかなければならないとした。こうして「ブ・ナロード!」のもとにペテルブルグモスクワなどの学生を中心に 2000~3000人の青年が農村に入っていった。この運動は 74年の夏に最高潮に達した。しかしながら運動そのものは,その目的をついに達しえず,政府の弾圧にあって壊滅した。 M.A.バクーニンと P.L.ラブロフがこの運動の理論的指導者であった。ほかに N.V.チャイコフスキー,V.I.ザスーリッチらの人物が有名である。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「人民のなかへ」の解説

「人民のなかへ」(じんみんのなかへ)

「ヴ・ナロード」

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