日本の城がわかる事典 「今泉城」の解説 いまいずみじょう【今泉城】 宮城県仙台市若林区に南北朝時代から江戸時代初めにあった平城(ひらじろ)。名取川と広瀬川の合流点近くの低湿地につくられた水堀と土塁をめぐらせた、東西・南北ともに約200mほどの規模の城である。南北朝時代から戦国時代にかけて、現在の宮城県南部に勢力を張り、のちに伊達氏に臣従した国分氏の家臣だった須田玄蕃(げんば)が天正年間(1573~92)に居住したとされているが、江戸時代初めに廃城となった。『伊達世臣家譜』には伊達政宗(まさむね)の家臣の一人として津田玄蕃の名前があるが、同一人物かどうかは特定されていない。城跡は戦後の急速な宅地化により、城の面影を残すものはほとんどない。なお、同城跡一帯は弥生時代の集落のあった場所で、今泉遺跡と呼ばれている。この遺跡の数次にわたる発掘調査で、今泉城の外堀や内堀、建物跡などが確認され、その存在が明らかになった。JR東北本線・東北新幹線仙台駅からバスで今泉神社前下車。◇玄蕃館とも呼ばれる。 出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報