低湿地(読み)ていしつち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「低湿地」の意味・わかりやすい解説

低湿地
ていしつち

沖積平野などの低い所にあるじめじめした土地で、水はけが悪く、つねに湛水(たんすい)しているか、洪水時に湛水しやすい。湛水面積の広いものは沼沢とよぶが、厳密な区別はない。自然堤防の背後に生ずる後背湿地のほか、湖沼の進化の過程で、湖水が干上がったり、周囲からの堆積(たいせき)物の流入や植生の侵入によって埋め立てられて生ずる。沿岸洲や海岸砂丘の発達によって潟湖(せきこ)が埋め立てられた場合に生ずるものは潮汐湿地(ちょうせきしっち)という。塩分の多少によって塩性沼沢と汽水沼沢に分け、汽水沼沢は泥炭地となっていることが多い。植生に覆われた湿地を湿原とよぶこともある。平地や沼沢地に発達する低層湿原と、山地に発達する高層湿原とがある。

[髙山茂美]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android