仏日庵(読み)ぶつにちあん

日本歴史地名大系 「仏日庵」の解説

仏日庵
ぶつにちあん

開基北条時宗塔所。時宗は弘安七年(一二八四)没。同九年一月二三日上野国北玉村年貢が時宗墓堂の仏事用途に充てられている(「北条氏公文所奉行人奉書」県史二)。永仁三年(一二九五)閏二月二五日、時宗夫人覚山志道は出羽国寒河江さがえ庄五ヵ郷を寄進(「北条氏執事奉書」同書など)、これは大陽寺の替りであるという。当庵には無畏堂(北条貞時の塔)・慈氏殿(覚山志道の塔)・同光塔(北条高時の塔)があり、北条家祖廟といった性格をもっていたようである(鎌倉五山記、鹿山略志など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の仏日庵の言及

【円覚寺】より

…83年,時宗は幕府の祈願所とし,富田荘(愛知県)と亀山郷(千葉県)の土地を寄進している。時宗の死後,境内に廟所の仏日庵が成立し,つぎの執権貞時の廟所無畏堂も仏日庵に設けられて,北条氏の私寺的性格を強めたが,一方,1308年(延慶1)定額寺となり官寺の列にも加えられている。1287年と90年(正応3)に火災にあったが,鎌倉時代を通じて所領の寄進が相次ぎ,隆盛を極めた。…

※「仏日庵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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