仏歯祭(読み)ぶっしさい

改訂新版 世界大百科事典 「仏歯祭」の意味・わかりやすい解説

仏歯祭 (ぶっしさい)

スリランカで,仏歯すなわち釈迦遺骨舎利(しやり))の一部である歯を供養して行われる祭り。この仏歯は釈迦の左の犬歯といわれ,4世紀後半にインド本国のカリンガ国からスリランカにもたらされ,以後王宮内に安置され,王位継承しるしとされた。渡来とともに盛大な供養祭が行われ,以後毎年1回行われるようになった。そのもようは,5世紀初めにスリランカを訪れた法顕(ほつけん)の《仏国記》などにも記されている。その後幾多の変遷はあったが,現在この仏歯はスリランカ中南部キャンディの仏歯寺(ダラダ・マリガーワDalada Maligāwa)に安置され,これを中心に今も8月になると,10日間にわたって盛大な祭りが繰り広げられる。スリランカではこの祭りをペラヘラ祭Peraheraといい,島で最大の祭りとなっている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android