付声(読み)ツケゴエ

デジタル大辞泉 「付声」の意味・読み・例文・類語

つけ‐ごえ〔‐ごゑ〕【付(け)声】

他の人の声に合わせて、言ったり歌ったりすること。また、その声。つけこわいろ。
本人そばにいて、その人の代わりに声を出すこと。
「声をかしげなれば、妓夫ぎふに―させ」〈浮・一代女・六〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「付声」の意味・読み・例文・類語

つけ‐ごえ‥ごゑ【付声】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 他人の声につけ添えて、言ったりうたったりすること。また、その声。つけこわいろ。
    1. [初出の実例]「夏の夜は蚊の付声の謡哉〈重勝〉」(出典:俳諧・犬子集(1633)三)
  3. 物かげから、その人に代わって声だけをつけ足し、あるいは、作り声を出すこと。また、その声。
    1. [初出の実例]「君が寝巻の一ふしうたふて見しに、声おかしげなれば牛夫(ぎふ)に付声(ツケゴエ)させ」(出典浮世草子好色一代女(1686)六)

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