精選版 日本国語大辞典 「好色一代女」の意味・読み・例文・類語
こうしょくいちだいおんな カウショクイチダイをんな【好色一代女】
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井原西鶴(さいかく)の浮世草子。1686年(貞享3)6月、大坂・岡田三郎右衛門より刊行。6巻6冊。洛西(らくせい)嵯峨(さが)の山かげ好色庵(こうしょくあん)で、2人の青年が庵主の老女から一代の懺悔(さんげ)告白を聞く筋(すじ)を構えた24の短編小説よりなる。宮仕えをしていた少女が不義の恋により追放され、一家の窮乏を救うため、踊り子を振り出しに、大名の妾(めかけ)、さらに京都島原遊廓(ゆうかく)の遊女となる。太夫(たゆう)から天神、囲女郎(かこいじょろう)へと身を落とし、大坂新町の端(はし)女郎へと流転の生涯が続く。坊主の妾、女筆(にょひつ)指南、町家の腰元奉公、武家の表使い、歌比丘尼(うたびくに)、髪結い女、嫁入りの介添女、裁縫師、茶の間女、中居女、茶屋女、風呂屋者(ふろやもの)、扇屋の女房、問屋の蓮葉(はすは)女と、あらゆる職業を転々と流れ歩く。ついには、暗物(くらもの)、夜発(やほつ)といった最下層の私娼(ししょう)にまで淪落(りんらく)してしまう。ある日、五百羅漢(らかん)の像に、かつて交渉のあった男たちのおもかげをみいだし、無常を観じ投身自殺を図るが果たせず、尼となり菩提(ぼだい)の道に入ったという筋である。張文成の『遊仙窟(ゆうせんくつ)』や蘇東坡(そとうば)の『九相詩』などの中国文学の影響も受け、また中世小説『三人法師』以来の懺悔物の流れを受けてはいるが、人生の暗黒面を経験した1人の女性の生涯に焦点をあわせて、転変たる運命を描き、人生の深淵(しんえん)をのぞくような深い人間観照を示す風俗小説の傑作となっている。
[浅野 晃]
『吉井勇訳注『好色一代女』(角川文庫)』▽『村田穆校注『新潮日本古典集成 好色一代女』(1976・新潮社)』
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浮世草子。6巻。井原西鶴作。1686年(貞享3)刊。京都嵯峨の好色庵に隠棲する老尼がみずからの転落の生涯を懺悔するという設定で,舞子・妾・遊女・寺大黒・女祐筆・腰元・歌比丘・茶屋女・風呂屋者・二瀬女(ふたせおんな)・惣嫁(そうか)など,当時の好色風俗の諸相を女性の側から描いた24章からなる。小町伝説や「遊仙窟」の影響,あるいは「色道大鏡」との関連がうかがえる。「日本古典文学大系」「日本古典文学全集」所収。
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