精選版 日本国語大辞典 「仮初」の意味・読み・例文・類語
かり‐そめ【仮初】
- 〘 名詞 〙 ( 形動 )
- ① 永久でないこと。ほんの一時のさま。まにあわせ。その場かぎり。かりさま。
- ② 実意なくおろそかなこと。なおざりなこと。軽々しいさま。いいかげんなさま。気まぐれ。
- [初出の実例]「あさ露のおくての山田かりそめにうき世中をおもひぬるかな〈紀貫之〉」(出典:古今和歌集(905‐914)哀傷・八四二)
- 「(のべ)の鼻紙ひざちかく置てかりそめ遣ひ捨」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)一)
- ③ 形だけのこと。些細(ささい)なこと。ちょっとしたさま。ふとしたさま。
- [初出の実例]「かりそめの道にても、かかる旅をならひ給はぬ心地に、心ぼそさも、をかしさも、めづらかなり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)須磨)
- 「奥羽長途の行脚只かりそめに思ひたちて」(出典:俳諧・奥の細道(1693‐94頃)草加)