精選版 日本国語大辞典 「哀傷」の意味・読み・例文・類語
あい‐しょう ‥シャウ【哀傷】
〘名〙 (「あいじょう」とも)
※万葉(8C後)一・八・左注「天皇御二覧昔日猶存之物一、当時忽起二感愛之情一、所以因製二歌詠一為二之哀傷一也」
※万葉(8C後)三・四二三・題詞「石田王卒之時山前王哀傷作歌一首」
※愚管抄(1220)三「昔は徳有る人のうせたるには、〈略〉声をあげて哀傷することありけれど」 〔漢書‐匡衡伝〕
④ 能において、世阿彌が分類した五音曲の一つ。あわれに美しく、涙をもよおす曲趣を内容とした曲。恋慕、亡憶などを主題とした曲。〔五音曲条々(1429‐41頃)〕
[補注]③の詩歌集の部立てとしては、「文華秀麗集」にあり、「古今和歌集」では巻一六に哀傷歌があって、以後の和歌集にしばしば見える。
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