普及版 字通 「件(漢字)」の読み・字形・画数・意味
件
常用漢字 6画
[字訓] わかつ・くだり
[説文解字]
[字形] 会意
人+牛。六朝末、唐宋以後に用いる。〔説文〕人部八上の部末に「なり。人に從ひ、牛に從ふ。牛は大物なり。故につべし」とみえるが、〔段注〕にこれを後添の文とし、「按ずるに下に云ふ、物中するなり。牛に從ふと。件は乃ちの體なり」として、その条を刪(けず)っている。の誤体としても、件の声義を得ることはできない。〔説文〕の文はそのまま〔玉〕にも引かれており、そのような説解があったものと思われる。〔北史、郎基伝〕「に條件して臺省に申す」とあり、案件として扱う意である。
[訓義]
1. わかつ、物ごとにわかつ、区別する。
2. くだり、すじ、わかちかぞえる。
3. 国語のくだんは、くだりの音便化した語。また、はらう、すつの訓がある。
[古辞書の訓]
〔新字鏡〕件 波良不(はらふ)、、加須豆(かきすつ)、、於志須豆(おしすつ)、、尓波々志(にぎははし) 〔名義抄〕件 クダムノ・ワカツ・ヒトシ・キラフ・クチ・ハラフ・カキスツ・スクナシ・ユヅル 〔字鏡集〕件 ワカツ・キラフ・ヒトシ・ヲシフ・ノチ・クダンノ・カドハシラ・クツログ
[熟語]
件挙▶・件件▶・件数▶・件頭▶・件物▶・件別▶・件目▶
[下接語]
案件・一件・具件・後件・雑件・事件・条件・人件・前件・難件・物件・与件・用件・要件
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報