けん(読み)ケン

デジタル大辞泉 「けん」の意味・読み・例文・類語

けん[助動]

[助動]けむ[助動]

けん[名]

料理の付け合わせ。刺身つまなど。

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精選版 日本国語大辞典 「けん」の意味・読み・例文・類語

けん

  1. 〘 名詞 〙
  2. 料理の付け合わせ。刺身、鱠(なます)などのつま。間・景・権・見などの意といい、明らかでない。
    1. [初出の実例]「かうじ・橘・けん・ざくろ」(出典:御伽草子・常盤の姥(類従所収)(1504‐21頃))
  3. 江戸時代、古着商が用いた銀匁の称。銀八〇匁を金一両とするもの。普通は銀六〇匁を金一両に換算した。
    1. [初出の実例]「あの羽織券(ケン)でふんでも二十四五」(出典:雑俳・柳多留‐一一六(1832))

けん

  1. 〘 接続助詞 〙 理由、原因を表わす。故に。から。
    1. [初出の実例]「そがいにせでも大事なかたん、上方衆(しゅ)は気がよかけん、こがいなことは有まいと」(出典:浄瑠璃博多小女郎波枕(1718)上)

けん

  1. 〘 助動詞 〙けむ

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普及版 字通 「けん」の読み・字形・画数・意味


11画

[字音] ケン

[説文解字]

[字形] 会意
馬+一。〔説文〕十上に「馬一なり」とし、「馬に從ひ、一は其の足を絆(つな)ぐ。讀みて弦(げん)の(ごと)くす。一に曰く、(くわん)のくす」という。〔字林〕に、〔爾雅、釈畜〕に玄駒というものと同じ。駒にはその通を防ぐため「執駒」の礼が行われたことは〔周礼、夏官、校人〕などにみえ、金文の〔駒尊(れいくそん)〕にもそのことがみえている。はそのことを字形に示すものであろう。

[訓義]
1. 一歳の馬、駒。
2. 字はまたに作る。



9画

[字音] ケン

[説文解字]

[字形] 形声
声符は亘(かん)。〔説文〕二上に「鮮にて、兒泣きて止まらざるを謂ひてと曰ふ」とみえ、〔方言、一〕にも燕の外鄙、朝鮮洌水の間の語とするが、字は〔詩、衛風、淇奥〕に「赫(かく)たり(けん)たり」とあって、その領主の儀容をほめる語に用いる。〔韓詩〕に字を宣に作る。おそらく愃の字義で寛緩、また威儀のあるさまをいう語であろう。

[訓義]
1. こどものなきごえ。
2. ゆるやかでおちつくさま、ゆたかで威儀のあるさま。
3. つつしみおそれる。

[語系]
・喧・諠xiuanは同声で喧の意。また桓huanも声が通じ、桓桓は威儀あるさまをいう。

[熟語]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「けん」の意味・わかりやすい解説

ケン
Ken, Thomas

[生]1637.7. バーカムステッド
[没]1711.3.19. ウォーミンスター近郊
イギリスの聖職者。国内で各種の聖職についたのち,1679~80年オランダのハーグでオランニェ公妃マリーア(のちのメアリー2世)の礼拝堂付き牧師,1683~84年タンジール遠征時のジョージ・L.ダートマスの従軍牧師などを務め,1685年バス・アンド・ウェールズ主教に就任,その間チャールズ2世の礼拝堂付き牧師にも任命され,同 1685年王の臨終に立ち会った。同 1685年のモンマス公の反乱時には,ジョージ・ジェフリズの過酷な取り締まりに苦しむ住民の救援に努力し,獄中に公を慰めた。1688年の七主教裁判事件の一人であったが,名誉革命後はウィリアム3世とメアリー2世への忠誠誓約を拒否して,1691年主教を追われ,晩年はおもにロングリートに住んだ。いくつかの著作も残した。

けん
xuan

中国の雅楽で用いる土製の吹奏楽器。形は紡錘形卵形円形の各種がある。上端に吹き口をもち,前面3孔,背面2孔の5指孔で,音域は7度。石器時代起源があり,周代に雅楽器として採用,漢以後清朝まで登歌,楽懸に用いた。ち (横笛) とともに奏する。後代には多孔のものもつくられた。宋の大晟雅楽の楽器として朝鮮に伝わり,現在も文廟祭祀楽に用いられる。

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朝日日本歴史人物事典 「けん」の解説

けん

没年:寛政7(1795)
生年:享保4(1719)
江戸中期,宗門改帳へ捺印拒否した農家女性。信濃国(長野県)佐久郡牧布施村生まれ。元文2(1737)年,近隣の御馬寄村に嫁し,延享2(1745)年,観音寺新田村へ再婚,宝暦6(1756)年,望月宿出生の与八を父利兵衛の名跡として迎え夫婦となる。同7年名主および同族を兄殺しで告発。告発された側は,けんを村から排除しようとした。けんは同族,名主ら共同体の規制への捨て身の抵抗として捺印を拒否。この行為は,当時国禁とされていたキリシタンの嫌疑を招く危険があり,場合によっては村役人や親類,五人組などが刑に処せられる恐れがあった。最終的には事を荒だてることを避けた村役人および一族との和談を受けいれた。<参考文献>尾崎行也「信州佐久郡牧布施村けん女一件」(『歴史評論』419号)

(菅野則子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「けん」の解説

けん

1719-1795 江戸時代中期の女性。
享保(きょうほう)4年生まれ。信濃(しなの)牧布施(まきぶせ)村(長野県望月町)の人。宝暦7年兄を殺されたとして,親類や名主をうったえる。村から排除されそうになったが,13年宗門改帳(あらためちょう)への押印を拒否し,連座をおそれた名主らを和解においこんだ。寛政7年死去。77歳。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「けん」の解説

けん

刺身のつまにするせん切りにした野菜。刺身を盛りつける際、敷きづまにするもので、大根・にんじん・きゅうり・うどなどが用いられる。

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世界大百科事典(旧版)内のけんの言及

【笙】より

…貴州省のミヤオ族やトン族では芦笙の楽隊が組織されている。なお東南アジアの笙にはラオスのケーンkhen,タイ,カンボジアのケンkhaenがある。【増山 賢治】。…

【刺身】より

…盛付けにはふつう〈つま〉と辛みを添える。つまは〈けん〉ともいい,口直しの役目とともに,景容を整えるために使われる。季節によって変わるが,しらがダイコン,そぎミョウガ,穂ジソ,紅タデ,花丸キュウリ,生ノリ,トサカノリ,ウゴなどが多用される。…

【つま】より

…刺身や酢の物にあしらいとして添えるもの。しらがダイコンやミョウガのせん切りなど刺身の下に敷くものと,穂ジソ,タデ,ボウフウなど前盛りとしてあしらうものとに区分し,前者を〈けん〉または〈敷きづま〉,後者を〈つま〉と呼ぶことがある。江戸時代には〈けん〉と呼ぶのがふつうで,〈つま〉の用例は少なく,それも汁の実などをさしていた。…

※「けん」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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