伊香庄(読み)いかのしよう

日本歴史地名大系 「伊香庄」の解説

伊香庄
いかのしよう

現木之本町の杉野すぎの杉本すぎもと大見おおみ川合かわい古橋ふるはし千田せんだ黒田くろだ大音おおと西山にしやまの辺りに比定される。北に余呉よご庄、南に富永とみなが庄がある。延久二年(一〇七〇)三月一一日の近江国弘福寺領庄田注進(東寺文書)に、「伊香郡伊香庄」の一〇町二反余の田地坪付が記載されている。田地は一八条四里二二坪から五里六坪にかけて一円に存在し、二四坪を除き各坪はほぼ耕地化していた。この注進によれば、当庄は大宝年間(七〇一―七〇四)以前に斉明天皇によって大和弘福ぐふく(川原寺)に勅施入された。建長二年(一二五〇)の九条道家初度惣処分状(九条家文書)には新御料の内に伊香古庄がみえる。建治元年(一二七五)八月二八日の亀山上皇院宣(弘文荘善本目録)には浄金剛じようこんごう(現京都市右京区)領と記され、嘉元四年(一三〇六)の昭慶門院領目録案(竹内文平氏旧蔵文書)にも浄金剛院領とあり、大覚寺統の所領として相伝されていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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