改訂新版 世界大百科事典 「伝国璽」の意味・わかりやすい解説 伝国璽 (でんこくじ)Chuán guó xǐ 秦の始皇帝以来中国の諸王朝が正統王朝の証拠として,歴代受け伝えたといわれる印章。玉製で竜のつまみがあり,4寸(約9cm)四方,文字は篆書(てんしよ)で,秦の滅亡後,前漢から後漢へ伝わったという。しかし,その文字は〈受命于天 既寿且康〉と〈受命于天 既寿永昌〉の2説があり,実は後漢初めの製作とする考えが強い。後漢末にいったん失われ,その後,偶然の機会に何度か発見されたといわれるが,文字はすべて〈受天之命 皇帝寿昌〉となっている。最新のは清の1738年(乾隆3)に見つかったといわれるもので,台北の故宮博物院の所蔵だが偽作である。執筆者:日比野 丈夫 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by