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証拠 しょうこevidence; Beweis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

証拠
しょうこ
evidence; Beweis

裁判所が法律を適用すべき事実存否を確定する資料一般をいう。人証物証直接証拠間接証拠,供述証拠と非供述証拠,本証と反証などに分類される。近代国家においては,裁判の公平を期するために,証拠裁判主義,すなわち事実の認定は常に証拠によるべきものとしている。日本の現行法は証拠の価値判断について自由心証主義を採用している (民事訴訟法刑事訴訟法) が,刑事訴訟ではその例外として自白の証明力に制限が設けられ,補強証拠がなければ有罪を認定できないことになっている (憲法および刑事訴訟法) 。なお,訴訟法上,証拠方法証拠資料,証拠原因をさす場合にも証拠ということばが用いられる。

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デジタル大辞泉の解説

しょう‐こ【証拠】

事実・真実を明らかにする根拠となるもの。あかし。しるし。「証拠を残す」「動かぬ証拠」「論より証拠
要証事実の存否について裁判官が判断を下す根拠となる資料。

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百科事典マイペディアの解説

証拠【しょうこ】

裁判をするには,まず,当事者が主張する事実の存否を確定することが必要であり,この事実の存否について裁判所心証を得させる資料をいう。近代国家では,公平な裁判のために,事実認定は必ず証拠によるべきものとされ,この取調べを証拠調べという。
→関連項目アレインメント押収強制処分挙証責任検証公文書受命裁判官任意出頭

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デジタル大辞泉プラスの解説

証拠

英国の作家ディック・フランシスのミステリー(1984)。原題《Proof》。競馬界を舞台にしたシリーズの第23作。

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世界大百科事典 第2版の解説

しょうこ【証拠】

要証事実の存否に関して裁判所が判断を下す根拠となる資料。裁判所が事件について判決するには,証拠に基づいて誤りなく事実を認定する必要がある。近代前の裁判手続では,裁判の結果を神意により決定する方法(神判)がとられる傾向があった(例えば,日本の古代の盟神探湯(くかたち))。近代以後はこうした傾向が克服されただけでなく,さらに事実認定をできるだけ合理化,客観化することが図られた。すなわち,判決の基礎となる事実や知識は,裁判所が単に偶然的主観的に獲得したのでは足りず,事実認定の過程を客観的に公判廷に顕出し,裁判所ばかりでなく,当事者もこれを感得し,その評価または意見を述べる機会を持つようにしたのである。

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大辞林 第三版の解説

しょうこ【証拠】

事実・真実であることを明らかにするよりどころとなる事や物。あかし。しるし。 「昨晩雨の降った-」 「確かな-」
訴訟法上、判決の基礎たる事実の存否につき裁判官の判断の根拠となるような資料。 「 -不十分」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

証拠
しょうこ

訴訟法上、裁判所に事実の存否について心証を得させるための資料をいう。証人や書証のような証拠方法、または証人の証言や書証の内容のような証拠原因をいうのが普通である。証人の申請や書証の提出のような立証手続または要証事実に対する証拠の効果(証明)を表現する場合もある。[内田一郎]

刑事訴訟における証拠

刑事訴訟における事実認定は証拠によることになっている(刑事訴訟法317条)。すなわち、罪となるべき事実(同法335条1項)または犯罪の特別構成要件に該当する事実の認定は、厳格な証拠、換言すれば、証拠能力がありかつ適法な証拠調べを経た証拠によることを必要とする(証拠裁判主義)。被告人は有罪とされるまでは、無罪と推定される。被告人が特定の犯罪について有罪であることを厳格な証拠で、合理的な疑いを超える程度まで立証する責任(実体的挙証責任)は、検察官が負担する。すなわち、疑わしきは被告人の利益に解されるのが原則である。証拠の証明力(証拠価値)は、裁判官の経験法則および論理法則にのっとった合理的な自由な判断にゆだねられている(同法318条、自由心証主義)。証拠の種類としては、以下のようなものがある。
(1)人証(証人や鑑定人など)、物証(証拠物)、書証(証拠書類)
(2)直接証拠、間接証拠(情況証拠)
(3)本証(罪証)、反証(要証事実に反対な事実を証明する証拠)
 挙証の客体について、要証事実、不要証事実(公知の事実など)、挙証禁止事実の区別がある。証拠能力の点については、以下のように規定されている。
(1)強制、拷問または脅迫による自白、不当に長く抑留または拘禁されたのちの自白、その他任意にされたものでない疑いのある自白は、これを証拠とすることができない(同法319条1項・3項、憲法38条2項)。
(2)公判期日における供述にかえて書面を証拠とし、または公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることは原則としてできない(刑事訴訟法320条1項)。ただし広い範囲で例外が認められている(同法321条以下)。
(3)学説・判例は、違法な捜索、押収によって獲得された証拠物の証拠能力を一定の要件のもとで否定している(昭和53年9月7日最高裁判所第一小法廷判決)。
 証拠の証明力の点で、被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない(同法319条2項・3項、憲法38条3項)。すなわち、自白には補強証拠を必要とするという点で自由心証主義の唯一の例外となっている。[内田一郎]

民事訴訟における証拠

裁判所が争いのある事件について判決するには、事実関係が確定され、これに適用する法規が明確にならなければならない。民事訴訟においては、このなかで当事者の弁論の結果によって決まり、裁判上の自白のように確かめる必要のないものもあるが、そうでない限りは、裁判所は判決するについて法規に当てはめるべき事実を自ら認定しなければならない。この際その事実認定が裁判官の主観的・恣意(しい)的判断でなく、客観的に公正であると認められることを担保するためには、その資料が訴訟審理によって収集され提出されたものであることが要求される。ここに訴訟における証拠の必要がある。つまり、前記のような判断のための材料が証拠であって、換言すれば、裁判官が視覚や聴覚などの五官の作用によって獲得する訴訟上の手段、方法、その獲得した資料などをいい、次のようにいろいろの意味に用いられている。
(1)証拠方法 当事者が裁判所に事実の真偽を判断させるためにその取調べを求め、また裁判所が事実認定の資料を得るために取り調べる有形物(証人、鑑定人、当事者本人、文書、検証物の5種)。
(2)証拠資料 裁判所が証拠方法を取り調べることによって感知した内容(証言、鑑定意見、証拠方法としての当事者本人の供述、文書の記載内容、検証の結果など)。
(3)証拠原因 裁判所が事実認定をするにあたり現実にその心証の基礎となった証拠資料や情況(証拠調べの結果、裁判官が信用できる証言、弁論の全趣旨など)。
(4)証拠能力 証拠になりうる材料、つまり証拠方法が証拠の適格をもつことをいう。すべての証拠方法は、原則として証拠能力をもつが、民事訴訟法においては例外として証拠能力を否定している場合がある。特定事項につき特定人に証人義務を課さない(民事訴訟法191条1項)のはその例である。
(5)証拠力 証拠調べの結果、裁判所が立証の客体について心証を得るに至った効果をその証拠の立場から証拠力という。このほかの分類方法として、人証と物証、本証と反証、直接証拠と間接証拠、単純証拠と総合証拠などがある。[内田武吉・加藤哲夫]

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世界大百科事典内の証拠の言及

【違法収集証拠】より

…訴訟手続上違法な手段・方法により収集ないし獲得された証拠。従来,おもに刑事訴訟との関係で,その証拠能力が問題とされてきた。…

※「証拠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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