最新 地学事典 「低角正断層」の解説
ていかくせいだんそう
低角正断層
(1)flat-lying normal fault
固結しつつあるプルトンが側方に広がろうとする運動によって,プルトン内部に生ずる低角度の正断層状の断裂。アプライトや石英で満たされていることが多い。
執筆者:加納 博
(2)low-angle normal fault
断層面の傾斜30°ないしそれ以下の低角の正断層。クーロン─ナビエの破壊条件式からは,岩石が通常の摩擦係数(0.6-0.85)を示すとき,正断層は60°程度の高角傾斜となることが予想される。一方,上記のような低角正断層も存在する。実際に,イタリアのアペニン山脈では低角正断層に沿って現在地震が生じている。低角正断層は西アメリカのコルディレラ変成コアコンプレックスで認識されて以来,その起源に対してさまざまな説が提唱された。例えば,高間隙流体圧や摩擦係数が顕著に低い粘土鉱物の存在が考えられるほか,近接する延性剪断帯の活動により,応力回転が生じることでその起源を説明可能である。
執筆者:竹下 徹
参照項目:応力回転
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

