アペニン山脈(読み)アペニンサンミャク(その他表記)Appennino

デジタル大辞泉 「アペニン山脈」の意味・読み・例文・類語

アペニン‐さんみゃく【アペニン山脈】

Apenninesイタリア半島を縦走する山脈。長さ約1350キロ。最高峰中部にあるコルノ山で、標高2912メートル。

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精選版 日本国語大辞典 「アペニン山脈」の意味・読み・例文・類語

アペニン‐さんみゃく【アペニン山脈】

  1. ( アペニンは[英語] Appennine ) イタリア半島を南北に走る山脈。最高峰コルノ山二九一四メートル。アペニノ山脈

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アペニン山脈」の意味・わかりやすい解説

アペニン山脈
あぺにんさんみゃく
Appennino
Appennini

イタリア半島の背骨をなし、北はリグリアから南はカラブリアに至り、ほぼ北西から南東の方向に連なる山脈。尾根沿いの長さ約1350キロメートル。リグリアでは幅30~50キロメートルであるが、中央部では約140キロメートルにまで広がり、カラブリアではふたたび狭くなって20~30キロメートル以下となる。一般に北部アペニン山脈、中央アペニン山脈、南部アペニン山脈に区分される。

 北部アペニン山脈は、アルプス山脈との接点をなすカディボーナ峠から、メタウロ川上流のボッカ・トラバリア峠までをいう。軟らかくてもろい岩石からなっているため、侵食による窪地(くぼち)が多く、斜面は地すべりしやすくなっている。チーザ峠で、さらに、リグリア・アペニン山脈とトスカナ‐エミリア・アペニン山脈の二つに分けられる。前者は、サボーナとラ・スペツィアの間をリグリア海に迫って東西に走る。後者は北西から南東に延び、テベレ川アルノ川水源を有する。北部アペニン山脈は、主峰としてチモーネ山(2163メートル)をもつが、概して2000メートルを超えることはまれである。

 中央アペニン山脈は、ボッカ・トラバリア峠からアドリア海と平行して走り、ボッカ・ディ・フォルリ峠に至る。山脈はさらに、ウンブリア‐マルケ・アペニン山脈とアブルッツォ・アペニン山脈の二つに分かれる。比較的なだらかであった北部アペニン山脈と比べて、ここでは山脈中もっとも起伏に富んだ険しい地形がみられ、グラン・サッソ・ディタリア山塊中には、アペニン山脈最高峰のモンテ・コルノ山(2914メートル)がある。

 南部アペニン山脈は、ボッカ・ディ・フォルリ峠からメッシーナ海峡までをさし、さらにカンパニア・アペニン山脈、ルカニア・アペニン山脈、カラブリア・アペニン山脈の三つに分けられる。険しい石灰岩の山塊、砂と粘土質の多い岩石でできた平坦(へいたん)地、深い河谷などによって、きわめて多様な相貌(そうぼう)をみせている。

 アペニン山脈は、全体として鉱物資源に乏しく、伝統的な牧畜も衰退し、多くの地域で過疎化が著しく進んでいる。

[堺 憲一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アペニン山脈」の意味・わかりやすい解説

アペニン山脈
アペニンさんみゃく
Appennino

イタリア半島を縦断する山地。全長約 1350km,幅 40~130km,平均高 1000~2000m。北アペニン,中央アペニン,南アペニンに区別することができる。 (1) 北アペニンは海岸山脈の西端から始り,ジェノバ湾にのぞむ部分はリグリアアペニン (アッペンニノリグレ) と呼び,石灰岩と砂岩などから成る。最高点はマジオバスカ山 (1803m) 。南斜面は急勾配で海に入っているが,低地段々畑ではブドウ,オリーブ,果樹,野菜などの栽培が行われる。海岸はリビエラを代表とする保養地に恵まれる。その南東はトスカナアペニン (アッペンニノトスコエミリノ) で,チモネ山 (2165m) が最高点。地中海,ポー川に注ぐ河川で開析された丘陵には,マツの森林が多い。この丘陵はアペニン山脈中最も地下資源が豊富。 (2) 中央アペニンはローマアペニン (アッペンニノウンブロマルキリアーノ) とアブルッツォアペニン (アッペンニノアブルッツェーゼ) とに分れ,おもに石灰岩から成る。最高点はグランサッソディタリア山地中のコルノグランデ山 (2912m) でアペニン山脈中最高。西側は火山活動を示し,多くの火口湖がある。ラルダレロ付近には地熱利用の発電所がある。 (3) 南アペニンはナポリアペニン (アッペンニノナポリターノ) とも呼ばれ,サングロ川以南。広い谷をもつ地塊山地となって広がり,石灰岩と花崗岩から成る。北部ではミレト山 (2050m) が,南部ではルカノアペニン (アッペンニノルカノ) のポリノ山 (2248m) が高い。谷には多くの貯水池が造られ,ナポリ湾の周辺は火山活動が盛ん。アペニン山脈の大部分はマツ,カシ,ブナの木でおおわれていたが,現在は植生に乏しく,夏にはヒツジやヤギの放牧場となっている。最近では牧場も改良され,低いところにはクリ,高いところにはマツが植えられている。

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