佐曾利郷(読み)さそりごう

日本歴史地名大系 「佐曾利郷」の解説

佐曾利郷
さそりごう

現宝塚市北端部に位置し下佐曾利・上佐曾利を遺称とする中世の郷で、多田ただ庄に含まれた。弘安元年(一二七八)とみられる多田ただ(現川西市)の金堂上棟引馬注進状(多田神社文書)に散所御家人分として佐曾利八郎、正和五年(一三一六)一〇月一三日に行われた同院堂供養の指図(同文書)にも御家人佐曾利氏の名がみえる。応安元年(一三六八)四月八日の多田院の金堂供養棟別銭注文(同文書)に佐曾利郷二〇七家とあり、一家当り一〇文余、永和元年(一三七五)には一四九家が一家当り一〇文弱の棟別銭を課されている(七月二五日「諸堂造営料棟別銭郷村注文」同文書)。文明一八年(一四八六)多田庄段銭結解状(同文書)には本田方の内にみえ、段別七〇文宛の要脚段銭の賦課に対し当郷二七町八〇歩(うち現作「一四町段小」)、納分七貫文、永正三年(一五〇六)には七五文宛の要脚料に対し「佐曾梨村」二七町八〇歩(うち現地一四町一段一二〇歩)納分七貫六一〇文で「未進」と記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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