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移封・所替(ところがえ)・国替(くにがえ)とも。江戸時代,幕府による大名領地の配置替え。恩賞的な加増転封,懲罰的な減封転封,行政的なものなどいくつかの理由で行われた。最も頻繁に行われたのは徳川将軍家初期3代の家康・秀忠・家光の時期であり,結果的に徳川一門や譜代大名が全国に配置される原動力となった。中・後期には転封発令の件数が減少し,譜代大名の幕閣就任にともなう行政的なものにかぎられるようになった。1840年(天保11)の3譜代大名の三方領知替(さんぽうりょうちがえ)は,一度発令されながら強い反対で撤回。このように幕末には幕府の転封実施も行われなくなり,幕府権力の全国統治権の後退を象徴するものとなった。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
…江戸時代に行われた大名の配置替えのこと。転封(てんぽう)または移封ともいう。豊臣秀吉のときに始まるが,江戸幕府の初期3代の将軍によって強行された。…
…そのなかで最も多かった大名は5万石以下の譜代大名である。
[大名統制]
幕府の大名統制の基本は改易と転封(てんぽう)(国替(くにがえ))である。徳川家康は覇権確立後,関ヶ原の戦後処理を通じて西軍にくみした外様大名を大規模に改易し,その所領を没収するとともに,これらの没収地を東軍に属して功労のあった外様大名に配分して転封する一方,直轄領(天領)に編入しあるいは親藩,譜代大名の取立てにあてた。…
※「転封」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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