体感症(読み)たいかんしょう

改訂新版 世界大百科事典 「体感症」の意味・わかりやすい解説

体感症 (たいかんしょう)

体感の障害された病態で,フランス語でセネストパチーcénesthopathieともいわれる。軽度の体感異常から,〈脳がくさって溶けてしまった〉〈腸がねじれている〉〈性器にいたずらされる〉など,幻覚のようなものまである。多くは奇妙で追体験できない感覚である。このような体感異常はうつ病,脳萎縮,とりわけ統合失調症に出現する。また臨床上,奇妙な体感異常を単一症状として慢性に経過するものが知られており,一つの疾患単位とみなされている(デュプレE.DupréとカミュP.Camusによって提唱された)。セネストパチーは狭義にはこれをさしている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android