佩く(読み)はく

精選版 日本国語大辞典 「佩く」の意味・読み・例文・類語

は・く【佩・帯・著・履・穿】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 カ行五(四) 〙
    1. [ 一 ] 身に着ける。装着する。
      1. 腰につける。帯びる。さす。また、身につける。特に、太刀、矢などを身に帯びる。
        1. [初出の実例]「臂(たたむき)には、稜威(いつ)高鞆(たかから)を著(ハキ)」(出典:日本書紀(720)神代下(兼方本訓))
        2. 「直衣着て、太刀はきたるあり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)東屋)
      2. 服、袴、足袋、くつなどを身につける。腰、腿(もも)、足などを覆う衣類を身につける。うがつ。つける。
        1. [初出の実例]「信濃道は今の墾道(はりみち)刈株(かりばね)に足踏ましなむ履(くつ)波気(ハケ)わが背」(出典:万葉集(8C後)一四・三三九九)
    2. [ 二 ] 弓に弦をつける。弦を装置する。
      1. [初出の実例]「みちのくの安太多良真弓弾き置きて反(せ)らしめきなば弦(つら)波可(ハカ)めかも」(出典:万葉集(8C後)一四・三四三七)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙
    1. 腰につけさせる。帯びさせる。また、身につけさせる。
      1. [初出の実例]「一つ松 人にありせば 太刀波気(ハケ)ましを 衣着せましを 一つ松 あせを」(出典:古事記(712)中・歌謡)
    2. 弓に弦をつける。弦を張る。
      1. [初出の実例]「梓弓弦緒(つらを)取り波気(ハケ)引く人は後の心を知る人そ引く」(出典:万葉集(8C後)二・九九)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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